『封印された「邪馬台国」と葬られた「出雲の国」が、今、蘇える！』はじめに古代史関係の本をいろいろ漁っていると、古事記と日本書紀（以下、「記・紀」と略す）や「魏志倭人伝」（以下、「倭人伝」と略す）を読めば読むほど三つの疑問が深まってくる。①「記・紀」に書いてあることは、改竄、粉飾の匂いが強いけれど、どこが改竄・粉飾で、どこからどこまでが史実なのか？②「記・紀」編纂者は当時一流の知識人であり、当然、中国の正史である「魏志倭人伝」の「邪馬台国と卑弥呼」は知っていたはずなのに、日本の最初の正史である「記・紀」（本文）には、なぜ一言も触れてないのか？③「記・紀」に「出雲」のことが時々出てくるが、しかしとびとびの内容で、しかも輪郭淡く。そのように「出雲」を書く事で、「記・紀」は一体何を言いたかったのか？この三つの疑問が、私の脳裏からずっと離れなかったある日、ふと思い付いた。そうだ、「記・紀」が書かれた以前の時代の事を、主に書いてある本を読んでみたら何かヒントが得られるかも、と。「記・紀」は奈良時代に書かれたので、それ以前というと飛鳥時代、古墳時代（または大和王朝時代）、さらに弥生時代、縄文時代に当たる。そのような時代に集中して書いてある本はないだろうか、とその目で探したら、結構あった。それらを繰り返し読んだら、ヒントどころか、私に言わせれば、「記・紀」により、封印された「邪馬台国」と葬られた「出雲の国」が、今、蘇ってきたのだ！多数の本の中から納得した二一編を選んで、特に共感を覚えた日高正晴氏、原田常治氏、梅原猛氏、村井康彦氏の内容を敷衍して、他の一七編を背景に、かつ私見も少しまじえて、皆様にお伝えしたいと思う。なお、私は本稿をロマンや夢、ファンタジーを求めて書いたものではない。「記・紀」以前の文献・資料から「記・紀」の洗礼を受けなかった（と考えられる）事実のみを抽出して「記・紀」の改竄・粉飾を洗い流し、その神話時代と同時代に書かれた中国の歴史書「倭人伝」と擦り合わせて、できるだけ日本古代の史実に迫ることを念じて書いたものである。目次はじめに　7　 [第一章]：帯方郡から邪馬台国までの行程　11１．『三国志』の中の「魏書」第30巻　烏丸鮮卑東夷傳倭人条　12２．どんな船で倭国へやって来たのか？　15３．縄文後期~弥生早期の二つの東西交易路　16４．「倭人伝」の行程帯方郡より水行して狗耶韓国に到る　22５．一海を渡る、末盧国に至る　24６．末盧国から伊都国に到る　24７．伊都国：行政（官庁）都市　28８．有明海航路　30９．南、邪馬台国に至る　3210．宮崎中央平野に展開する大古墳群　3411．西都原古墳群　3612．次に斯馬国~女王の境界の尽くる所　3613．其の南に狗奴国有り　3914．郡（此）より女王の国に至る万二千余里　4015．狗奴国の風俗　4116．狗奴国の道理―会稽東冶の東　4317．倭国以外の東夷の国の文明開化　44[第二章]：出雲の国と邪馬台国　47１．日本国の始まり（出雲の木次事件）48　 ２．素戔嗚　49３．銅鐸信仰や四隅突出型墳丘の伸展　50４．卑弥呼の誕生とその資質　52５．出雲騎馬隊と素戔嗚の九州平定　54６．素戔嗚の九州平定と邪馬台国建国　55７．出雲の国と馬との関わり　56８．素戔嗚の人物像　57９．卑弥呼と素戔嗚の関係　5910．神素戔嗚尊と熊野大社　6011．大国主尊と多紀理姫（通称：木花咲耶姫）　6212．卑弥呼女王の誕生　6513．西日本の出雲王朝　6614．出雲の国譲り（穏便に神話化されたが、実際は熾烈な統治権争い）　6715．荒神谷遺跡と加茂岩倉遺跡　68[第三章]：出雲の国と邪馬台国の大同団結＝大和王権の誕生　71１．日霊女女王の魏国との外交　72２．大和へ侵攻した大歳?饒速日尊?天照国照大神　73３．大和の三大古社　74４．偉大なる大和の初代王、天照国照大神の陵墓　75５．神武天皇の陵墓　77６．前方後円墳（柄鏡式前方後円墳も含む）　79７．生目一号古墳と箸墓古墳　80８．日向系と出雲系の系譜　80９．日向と大和の相続人　8110．日向と大和の政略結婚　8211．邪馬台国と狗奴国の抗争　8412．「卑弥呼」の死と「日霊女」女王の創造　8613．皇大神宮と天照大神　8814．日本の神一覧　9015．枚聞神社：大日霊女貴尊とその子ども・合計九神の一家勢揃い　9016．薩摩・大隅の三貴子による分割統治　9217．台与女王の誕生と事績　9218．大和朝廷の初代南九州鎮守使　9419．邪馬台国四代一二〇年の歴史の要約　9620．「邪馬台国」の夢の跡：西都原古墳群　9821．「邪馬台国」の読み方　10022．ヤマトという地名　101主な参考文献　102探勝篇：古代逍遥　105一、「邪馬台国」水行?有明海航路を探勝する　106二、神話と現実の狭間　114あとがきに代えて：日本人の「心」の基層　153日本人の「心」の基層の主な参考文献　162付記：You tubeアップロードのお知らせ　163